ChatGPTアプリ連携で起きるデータ管理の新課題
OpenAIが「Apps in ChatGPT」を発表。会話の中でSpotifyでプレイリストを作ったり、Canvaでスライドを起こしたり——“チャットのまま”人気サービスが動きます。便利さが一気に増す一方で、初回の連携許可や共有データの理解など、押さえるべきポイントもあります。
30秒で要点
- どこで誰が:EU・英国・スイス以外の地域で、Free/Go/Plus/Proの全プランが利用対象(英語から開始)。日本の一般ユーザーも使えます。
※提供パートナー:Booking.com / Canva / Coursera / Figma / Expedia / Spotify / Zillow(順次拡大) - どう呼ぶ:メッセージの先頭にアプリ名(例:「Spotify, make a playlist …」)や、作成欄の「/」/「Tools」から呼び出し。
- はじめに確認:初回は連携前に「何が共有されるか」を表示。後から連携解除も可能。
何ができる?(身近な例)
- Spotify:シーンや気分を伝えるだけでプレイリストを提案・作成。
- Canva:箇条書きのアウトラインからプレゼン資料を自動生成。
- Expedia / Booking.com:日程・予算を伝えて宿や旅行案を比較。
- Zillow:条件に合う物件を会話内の地図でチェック。
- Figma:ラフスケッチから図解やFigJamの整理まで。
はじめ方(3ステップ)
- ChatGPTにログイン:対象地域では全プランで利用可(英語優先で順次拡大)。
- アプリを呼ぶ:メッセージの先頭にアプリ名を付けるか、「/」/「Tools」から選択。
- 初回の許可を確認:共有されるデータやアプリのポリシーを読み、必要に応じて接続。以後は会話の流れで自動提案されることも。
安心して使うための“ひと目ガイド”
- 共有データの考え方:有効化したアプリは、依頼に必要な範囲で会話の関連情報を参照します。MemoryをONにしている場合、関連する記憶が補助に使われることがあります。気になる人は「記憶の管理」や「学習への同意」設定も見直しておきましょう。
- モデル学習への利用:「みんなの改善に協力(Improve the model for everyone)」をONにしていると、アプリ経由の情報が学習に使われ得ます。運用ポリシーに合わせて設定を確認。
- ログインが要る操作:一部のタスクは、ユーザーが自分でログイン操作を行う“引き継ぎ”に切り替わります(この間はスクリーンショット非取得)。終われば再びChatGPTが続きから進行します。
- 組織利用の管理:Enterprise/Businessでは、管理者がコネクタ(外部接続)の利用可否や権限をロール単位で制御できます。
- 連携の取り消し:設定画面の「Apps/Connectors」から、連携の無効化や再連携が可能。
ここが面白い:AIが“サービス間を行き来”する日常へ
これまでの「アプリを開いて操作する」手順が、会話の流れに吸い込まれていく。たとえば旅行計画の雑談の最中に、宿や地図、持ち物リストが次々と“向こうから出てくる”。Appsはそんな体験の入口です。便利さに任せきりにせず、どこまで任せ、何を守るかを決めておけば、恩恵は最大化できます。
まとめ
「Apps in ChatGPT」は、SpotifyやCanvaなど人気サービスを“会話のまま”動かせる新しい使い方。対象地域・プランや呼び出し方、初回の許可内容を押さえておけば、日常タスクがぐっとラクになります。まずは1つ試し、便利さと安心のバランスを自分の基準で調整していきましょう。


