AIが想像力を育むLEGOの挑戦 ―― 2026年 CESでのLEGOプレスカンファレンスより
2026年1月9日、開幕直前のCES 2026のメディア向けプレスカンファレンスの中で、LEGOが目を引く発表を行った。従来のLEGOブロックにAIの機能を組み込んだ「SMART Brick」の登場である。LEGOは、これまでのロボット系玩具とは一線を画す、新たな体験をユーザに提供しようとしている。今回は、そのSMART Brickの技術的な側面に注目し、どのような可能性を秘めているのかを詳しく解説していきたい。
AIテクノロジーが玩具に組み込まれる
まず、SMART Brickの基本的な仕組みについて確認しよう。SMART Brickはブロック型のデバイスで、センサやプロセッサなどのコンピューティング機能が内蔵されている。これによりブロック同士がインタラクションを行い、ユーザに新しい体験を提供するのが特徴だ。
SMART Brickの具体的な動作は以下のようなものがデモンストレーションされた。LEGOのブロックで作った車に SMART Brickを取り付けると、その車の動きに合わせてエンジン音が変化する。また、SMART Brickを取り付けた複数の車をタワー状のターゲットに向かって転がすゲームでは、最も近い車の色がターゲットのSMART Brickで表示される、といったものだ。
つまり、SMART Brickにはセンサ機能とプロセッサ機能が組み込まれており、ブロックの配置や動きに応じてリアルタイムにフィードバックを返すことができるのが特徴と言えるだろう。LEGOはこうしたAIエッジデバイスの技術を活用し、従来の受動的な玩具から、ユーザの創造性を引き出す新しい体験を提供しようとしているのである。
ソフトウェアによる自由度の高さに注目
さらに気になるのは、SMART Brickのソフトウェア面での可能性だ。例えば、今回のデモでは「車」「飛行機」といった決まりきったタグが用意されていたが、ユーザ自身がプログラミングして新しい振る舞いを定義できるようになれば、よりクリエイティビティを発揮できるはずである。
専門家の見解によると、SMART Brickにはある程度自由度の高い音声インターフェースが用意されているのではないかと考えている。例えば「これからこのタグを潜水艦につけるから、音はこんな感じにしてね」といった具合に、ユーザが音声で指示を出せば、AIがそれに沿ったプログラムを自動生成し、SMART Brickの振る舞いを変化させるといったことが考えられる。
この点については、LEGOのプレスカンファレンスでは触れられていなかったため、筆者はCESの取材会で詳細を確認することにした。LEGOはロボット教育玩具「LEGO Mindstorms」の系譜を持ち、従来からプログラミング教育に力を入れてきた。SMART Brickもまた、ユーザの想像力と創造性を最大限に引き出すことを目指した製品だと言えるだろう。
AIによる創造性の後押しに期待
一方で、AIテクノロジーを玩具に組み込む際には、いくつかの課題も考えられる。たとえば、AIによる不適切な生成物の出力や、子供の安全性の確保など、慎重な設計が求められるだろう。また、新しい体験を提供する一方で、従来の遊び方から大きく逸脱してしまえば、ユーザに戸惑いを与えかねない。
しかし、LEGOは長年の経験と実績を持つ老舗玩具メーカーである。SMART Brickの開発においても、こうした課題を十分に検討し、安全性と親和性を両立させていると考えられる。AIテクノロジーを活用しつつ、ユーザの創造性を最大限引き出すことができるよう、細心の注意を払っているはずだ。
今後、SMART Brickがどのように進化し、ユーザに受け入れられていくのかが注目される。LEGOが目指すのは、AIが人間の想像力を後押しする新しい玩具体験の実現だ。CES 2026での発表は、そうした方向性を示唆するものと言えるだろう。
短期的影響:SMART Brickは従来のLEGOブロックにAIの機能を組み込むことで、ユーザの創造性を引き出す新たな体験を提供する。これにより、LEGOブランドの価値向上や、AIテクノロジーを活用した玩具市場の活性化が期待される。
中長期的影響:SMART Brickの登場により、AIが人間の想像力を後押しするような玩具体験の可能性が示された。今後、AIと創造性の融合は教育分野を中心に広がっていくことが予想される。また、AIテクノロジーを活用した新しい遊びの形態が生み出される可能性もある。
読者への示唆:LEGOは SMART Brickの活用方法やソフトウェアの詳細について、さらなる情報開示が求められる。また、AIを活用した玩具の安全性や倫理面での配慮についても、企業は積極的に議論を行うべきである。一方、消費者は新しい玩具体験に期待しつつ、その利点と課題を冷静に考える必要がある。


