6639人分の個人情報が入ったPC・SSDが消えた——JR仙台病院で発覚した管理体制の穴
医療機関での個人情報管理に新たな課題が浮き彫りになりました。JR東日本東北本部は2月18日、仙台市青葉区のJR仙台病院で入院患者など6639人分の個人情報を保存したパソコンやSSDが紛失したと発表しました。施錠された部屋からの消失で、盗難の可能性も指摘されています。
データ削除作業中に発覚した大量紛失
問題が発覚したのは2月3日のことでした。JR仙台病院の社員が端末の廃棄に伴うデータ削除作業を実施していたところ、SSDとバッテリーがなくなっていることに気づいたのです。その後の調査により、これまでにパソコン3台、SSD8つ、バッテリー2つが紛失していることが判明しました。
紛失した機器には、入院患者など合わせて6639人分の個人情報が保存されていたとのことです。医療機関が取り扱う個人情報は、氏名や住所といった基本情報に加え、病歴や治療内容など極めて機微な情報が含まれる可能性があり、影響の深刻さが懸念されます。
施錠管理下での消失、盗難の可能性も
パソコンが置かれていた部屋は通常施錠されており、JR仙台病院の一部の社員のみが部屋の鍵を取り出せる仕組みになっていました。しかし、業者などが作業で出入りすることもあり、当時は鍵を貸し出していたということです。
JR東日本は盗難の可能性もあるとして、2月16日に仙台中央警察署に被害届を提出。警察が捜査を進めている状況です。施錠管理されていた場所からの消失という事実は、内部関係者による持ち出しや、鍵の管理体制の不備を示唆しています。
医療機関の情報管理体制に課題
JR東日本は今回の事態について「パソコンなどの保管方法について管理が行き届いておらず、再発防止を図りたい」とコメントしています。医療機関では患者の診療記録や検査結果など、極めて機密性の高い情報を大量に取り扱うため、より厳格な管理体制が求められます。
一般的に医療機関では、個人情報保護法に加えて医療法や各種ガイドラインに基づく情報管理が義務付けられています。物理的なセキュリティ対策として、機器の保管場所の厳重な管理、アクセス権限の明確化、定期的な棚卸しなどが基本とされています。
患者への影響と今後の対応
現時点で個人情報の悪用による被害は報告されていませんが、6639人という大規模な情報漏洩の可能性は深刻な事態です。医療情報は名前や住所だけでなく、病歴や治療内容といった極めてセンシティブな情報を含むため、患者のプライバシーへの影響は計り知れません。
JR東日本には、影響を受けた患者への迅速な連絡と説明、再発防止策の具体的な実施、そして透明性のある情報開示が求められます。また、医療機関全体として、デジタル化が進む中での情報資産管理の見直しが急務となっています。
短期的影響:6639人分という大規模な医療情報漏洩の可能性により、患者のプライバシー侵害リスクが高まっています。警察捜査の進展と、JR東日本による患者への説明責任が当面の焦点となるでしょう。
中長期的影響:医療機関全体のデジタル情報管理体制の見直しが加速すると予想されます。物理的セキュリティの強化、アクセス管理の厳格化、定期監査の義務化など、業界標準の底上げが必要になります。
読者への示唆:医療機関を利用する際は、自身の情報がどのように管理されているかを確認し、不審な連絡があった場合は直接医療機関に確認することをお勧めします。また、医療従事者は所属機関の情報管理ルールを再確認し、疑問があれば積極的に改善提案を行うことが重要です。

