ランサムウェア攻撃被害の約6割が中小企業 あいち銀行が対策セミナー

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相次ぐ不正アクセス、中小企業にも広がる不安

企業のシステムを狙った不正アクセスの報道が続くなか、規模の大小を問わず対策の必要性が改めて注目されています。そうしたなか、あいち銀行は10月13日、中小企業を対象にしたサイバー攻撃の対策セミナーを開催しました。セミナーにはリモートも含め約130人が参加し、関心の高さがうかがえます。

専門家は「中小企業こそサイバー攻撃の対象になりやすい」と指摘しています。大企業よりも対策が手薄になりがちな企業が、攻撃者にとって効率のよい標的になっているという構図です。本記事では、セミナーで示された内容と、実際に被害を受けた企業の声、そして今すぐできる対策のポイントを整理します。

ランサムウェア攻撃被害の約6割が中小企業

企業のデータを勝手にロックし、解除の代わりに身代金を要求する「ランサムウェア攻撃」について、警察庁によると被害の約63%は中小企業です。つまり、被害の過半数が規模の小さな企業に集中しているという状況です。

情報処理安全確保支援士の平野威さんは「安く早く攻撃できるのは中小企業。IT管理者がいない・兼務している・予算がない。セキュリティー対策が手薄な会社を狙う」と述べています。専任のIT担当者がいない、あるいは他の業務と兼任しているといった体制上の弱点が、攻撃者側から見た「狙いやすさ」につながっているという指摘です。

セミナーに参加したレンタカー会社や産業機器卸売業、建設業の担当者からは、同業他社での被害を受けて「あすはわが身」「身近な存在になった」といった不安の声が上がりました。業種を問わず、対岸の火事ではないという受け止めが広がっています。

今すぐできる対策と、被害に気づいたときの初動

セミナーでは、いますぐできる対策として、不審なメールやアドレスにアクセスしないことが挙げられました。日々の業務で誰もが遭遇しうる入り口だからこそ、基本的な注意が重要になります。

また、平野威さんは被害に気づいたときの対応について「何かやってしまったらネットワークから切り離すことが最優先。周りにもメールが来ていないか確認して、次の被害をおさえることも重要」と説明しています。感染が疑われる端末をそのままにせず、まず切り離すこと、そして周囲への拡散を防ぐことが被害を最小限に抑える鍵になります。

岐阜のシステム会社では対策を強化

岐阜市に本社を置く「電算システム」は、システムの開発や企業・自治体のシステムサポートを手がける会社です。今のところ、提供するサービスへの被害は確認されていませんが、未然に防ぐための対策を進めています。

クラウドエンジニアリング事業部の堀隆雄さんは「弊社のシステムに対して攻撃の形跡がなかったか、確認からスタートしている。今後はシステムの脆弱性のチェックをして、見つかれば修正に取り組む」と話しています。取引先からは「セキュリティーを強化したい」といった問い合わせが急増しているということです。

さらに堀さんは「攻撃する側も日々進歩している。守る側も進歩しているが、“イタチごっこ”なところがあるので(対策に)限りはない」とも述べています。一度対策をすれば終わりではなく、継続的に見直し続ける姿勢が求められることを示す言葉です。

今回の公表で判明していること

警察庁の統計として、ランサムウェア攻撃の被害の約63%が中小企業であることが示されています。専門家は、IT管理者の不在や予算不足などセキュリティー対策が手薄な企業が狙われやすいと指摘しています。一方、電算システムでは現時点でサービスへの被害は確認されておらず、脆弱性チェックや修正などの対策が進められている状況です。

自社の体制を振り返り、専任担当の有無や予算、日々の運用ルールを見直すきっかけとして、こうした情報を活用することが大切です。